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2022.02.20 住宅

床材について/スリッパは要らない

日々の暮らしの中で一番人の肌と触れるのが床だと思います。ぼくは知識が乏かった若い頃、木質の床板と言えばWPC加工された表面に薄い松などのヘギ材が貼られている合板系のものを使っていました。この建材は木に似せたプラスチックと言っていう代物で、木の特質である吸湿性が無くて夏場に歩くと不快きわまりなくスリッパが必要でした。今は特別の事情がない限りは使いません。写真は熱圧加工したスギ30mmの厚板にリメイクした住宅で、素足の歩行感がすこぶる足にやさしい一押しの材料です。柔らかいのでキズはつきやすいですが時の経過と共に気にならなくなります。また少し固めの質感を求めるのであれば、ヒノキやカラマツが良いでしょう。地マツは固く水にも強いので捨てがたいですが、今はちょっと手に入りにくい。いずれにしても工業的な加工を施さない無垢材です。日本にたくさんあるスギやヒノキを使ってお家をつくることで、日本の山(自然)を守り生活の質(QOL)を豊かにしてくれます。

©香川県 一級建築士事務所 森風舎.